ある音楽事務所の倒産

 今年聴きに出かけたコンサートやオペラのことを書いて2008年を締めくくろうかと考えていたら、サブプライム問題がこういうところにも影響を与えているのだな、と改めて痛感させられた出来事が起きてしまった。
 イタリアのメゾ・ソプラノ歌手チェチーリア・バルトリの、日本公演キャンセルについては当ブログで2度書いた。その公演の招へい元(興行主)だったムジークレーベンという会社(音楽事務所)が、12月24日に東京地方裁判所へ自己破産申立を行い、翌日破産手続開始決定を受けたのである。(詳細は→http://www.musikleben.co.jp/
 ここに至った直接の引き金が、上記キャンセルだったのは明らかと思われる。ただ、前年の2007年6月には、ヴァイオリニストの天満敦子さんが所属していた「コンサート・エージェンシー・ムジカ」が破産しており、今年も音楽事務所が倒産してしまったか、といった冷静な感想も可能である。
 しかし、これからコンサートを予定していた関係者はてんやわんやであろう。主催者を変えて何とか実施にこぎつけられれば良いが、海外から団体を呼んで行う場合はそれは難しいのだろうか、中止になった公演がある。ムジークレーベン社のページには載っていないが、2009年4月にサントリー・ホールで行う予定になっている「フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団」の公演も招へい元は同社のはずだが、どうなるのだろうか。