2008年に聴いたコンサート(総集編・オーケストラ)

 2008年に聴きに出かけたコンサートのうち、オーケストラの演奏を振り返っておく。

シュトゥットガルト放送交響楽団(1/31,フェスティバルホール):ノリントン音楽監督)による指揮の解釈が披露されたコンサートだった。前半のメンデルスゾーンでソロを弾いたヤンセンのヴァイオリンが良かった。

・神戸市室内合奏団(2/24,高槻現代劇場):ボッセの指揮はオーソドックスの美としか表現できない。前半のモーツァルト作ピアノ協奏曲第22番では、オーケストラとピアノにずれが生じかけて、演奏が止まってしまうかと思ったが、ピアノを弾く岸本雅美の機転で事なきを得た。

・BBCフィルハーモニック(3/15,フェスティバルホール):どの曲においても終盤に向かって盛り上がっていく印象だった。

京都市交響楽団(4/18,京都コンサートホール):最初のコープランド作「市民のためのファンファーレ」を除き、意気込みが感じられない演奏だった。広上淳一音楽監督に就任して最初の定期公演だったのだが。

・hr交響楽団(旧称「フランクフルト放送交響楽団」)(5/30,フェスティバルホール):パーヴォ・ヤルヴィは本当に素晴らしい指揮をしてくれた。前半のベートーヴェン作ピアノ協奏曲第5番のエレーヌ・グリモーもなかなか良い。

・東京交響楽団(6/7,サントリーホール):残念なことに、本番当日に指揮予定だったミッコ・フランクが腰痛の悪化でキャンセルし、飯森範親が代役で振った。個人的には、サントリーホールがリニューアルしてから初めて聴いた演奏会となった。

・いずみシンフォニエッタ大阪(7/3,いずみホール):後半の伊福部昭西村朗の曲はそれなりに聴けたが、前半の特にジョン・アダムスはつまらない演奏になっていた。

大阪センチュリー交響楽団(9/26,ザ・シンフォニーホール):デュリュフレの「レクイエム」は結構難しい曲だと思うのだが、指揮、合唱、オーケストラともども健闘した。今年聴いた日本のオーケストラの演奏では、この日が一番良かった。

・兵庫芸術文化センター管弦楽団(10/18,兵庫県立芸術文化センター):http://d.hatena.ne.jp/hoffmann/20081102/p1 を参照していただきたい。

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(11/15,京都コンサートホール):ヤンソンスが指揮する演奏会はこれで4回目だが毎回はずれがない。メンデルスゾーン交響曲第4番はやや堅苦しい印象を受けたが、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」は昨年同じ会場で聴いたパリ管弦楽団の演奏に比べ数段上回っている。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(11/29,ザ・シンフォニーホール):ラトルの表現が練れてきたな、というのが第一印象。よくよく聴くと、前述のヤルヴィやヤンソンスにも負けないくらいの解釈が繰り出されている。ハイドンの92番やベートーヴェンの「田園」が良かった。

シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ(12/19,広島厚生年金会館):CDだけでは誤った印象を受けてしまう好例がこの日の団体による演奏だった。詳細は、http://d.hatena.ne.jp/hoffmann/20081220/p1 を参照されたい。