トーキョー・リング(ラインの黄金)

 私事だが、新国立劇場が制作した「ニーベルンクの指環」4部作には、2003年プレミエの「ジークフリート」で初めて接した。その時はダブルキャストだったこともあって2度出かけた。翌年の「神々の黄昏」も1度だけ観たが、その後は演出家たちともめたらしく、再演話がなかなか浮上しなかった。
 2009年になって、4月の「ワルキューレ」ともども再演されることとなり、私も昨日(3月15日)観ることができたのはうれしく思う。しかし、2001年から2004年の各プレミエ時に演出したキース・ウォーナーが『文学界』(2004年5月号)のインタビューで希望していた、4作を1週間から10日程度で上演にかける、いわゆるサイクル(ツィクルス)方式ではない。日本でこの方法の上演が行われたのは、2006年1月のマリインスキー歌劇場の引っ越し公演が最新である。
 今回の「ラインの黄金」公演初日の模様は東条碩夫さんがお書きになっているので、ここで余計なことは繰り返さない。8年たっているのに、古さを感じないのはさすがである、とだけ言っておく。
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