トーキョー・リング(ワルキューレ)

 新国立劇場によるワーグナーの「ニーベルングの指環」第2部を、千秋楽の日に平日ながら観た。土曜・休日の公演がたった1回しかなく、しかもすぐに売り切れたとあって、やむを得ず平日のマチネーにした。
 しかし、仕事を休んで行った甲斐があった。プレミエから7年がたつのに、古さを全く感じないところはさすがだ、と思った。個人的には、第3部(ジークフリート)を2003年に観た際の舞台設定などとのつながりを意識しながら観ることもできた。
 それにしても、なぜ新国立劇場ニーベルングの指環をサイクル上演しないのか。寡聞にして、いまだ納得できる説明を聞いたことがない。私が観た日は新国立劇場運営財団の遠山敦子理事長が会場内にいたが、彼女に劇場のプランニングについて自らのビジョンがあるのかは疑問である。