感心できない公演(その2)

 昨日は、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による京都公演に行ってきたが、これが一部の曲を除いて現状では今年ベストの出来だったと思っている。そのことは他日まとめるとして、昨日の倍以上の出費をしたが良い印象を持てなかったオペラ公演の話を書く。
 イタリアの指揮者にリッカルド・ムーティという人がいる。3年前にウィーン・フィルの東京公演で初めて接したが、あれほどブーイングの多い演奏会は、今のところこの後には経験していない。
 オーケストラ公演はひどかったが、オペラはどうだろうといった興味から、ウィーン国立歌劇場によるモーツァルト作曲「コジ・ファン・トゥッテ」を観に東京まで出かけたが、終演後に「彼の指揮する演奏会は当分はもう結構だ」という心境になった。この人のパウゼの取り方が、6月に接したパーヴォ・ヤルヴィや昨日のマリス・ヤンソンスと比べて、なんと人工的というかわざとらしいというか。
 舞台上について、歌手はドラベッラ役のアンゲリカ・キルヒシュラーガーやグリエルモ役のイルデブランド・ダルカンジェロなどは本当に素晴らしいものであった。他方で演出や美術は伝統的というか、何の面白みもない。
 このプロダクションについては、東条碩夫さんの日記が詳しいので、興味のある方は一読をお勧めする。
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