音楽評論家のエッセイ(訂正)

 以前、音楽評論家でレーベルを主宰している平林直哉氏のエッセイがHMVのサイトに連載されていると書いた。
http://d.hatena.ne.jp/hoffmann/20090222
 これは、正確には青弓社のサイトに連載されているものの転載であった(HMVのサイトには「転載」とそれぞれの記事に記してあるが、出典は明記されていない。)。
 http://www.seikyusha.co.jp/rensai/rensai_hirabayashinaoya/backnumber.html

音楽の歴史を読む

 大学などの講座で教えられる「音楽史」はドイツ中心史観である、との趣旨を言ってのけたのは石井宏という評論家である。かといって、彼が「反音楽史」(新潮社)のなかで、16世紀から18世紀の音楽家は「イタリア人にあらざれば人にあらず」というのは単純すぎる、ということを教えられる書がある。フランスのロラン・マニュエルが著した「音楽のたのしみ」(4巻・白水社)である。第2次大戦後のフランスで放送されたラジオ番組において、語られた内容をまとめたものである。

カルメンのために

 来週の土曜日(6月27日)に、数年ぶりにビゼー作曲の「カルメン」を、兵庫県立芸術文化センターへ観に行く予定である。
 http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/carmen/index.html
 同センターでは、夏に自主製作のオペラ公演を行うのが恒例化しており、昨年は「メリー・ウィドウ」だった。この「メリー・ウィドウ」の原作を書いたアンリ・メイヤックは、「カルメン」の台本を作った人でもある。
 今日から久しぶりに日本語対訳付きの台本を読みはじめたが、カルメンが登場するところで歌う「ハバネラ」と呼ばれる歌で、「Si je t'aime ,prends garde à toi!」(私に好かれたら、覚悟しな!)と啖呵を切るところは何とも言えない味がある。

画家の庄司紗矢香

 筆者がよく読むブログで、庄司紗矢香が東京は京橋の画廊で個展を開いている、という話題が載っていた。
(東条碩夫のコンサート日記 http://concertdiary.blog118.fc2.com/blog-entry-485.html
(会場の「プンクトゥム・フォトグラフィックス・トウキョウ」 http://punctum.jp/index.html
 庄司のオフィシャル・サイトでも、彼女が油絵や映像の制作に取り組んでいることが紹介されている。行ってみたいが、期間が6月13日までであり、それまでに東京へ行く予定がないのが、残念と言えば残念。
 http://www.sayaka-shoji.com/synesthesia/index.html

 

アメリカに抗議するツィメルマン

 5月から6月にかけて、ピアニストのクリスティアン・ツィメルマンは日本でツアー中である。筆者も兵庫県立芸術文化センターでの公演を聴くことができた。彼の演奏については多くの人が書くだろうから、ここでは日本語のメディアが取り上げない話題をとりあげよう。
 ツィメルマンは4月26日、ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・ホールで演奏した。プログラム最後の曲は、兵庫県立と同じシマノフスキの作品(ポーランド民謡の主題による変奏曲)だったが、この曲を演奏した後、客席に向かって「今後アメリカでは演奏しない」と宣言したのである。
 この事件は、英語のメディアがこぞって取り上げているが、ここでは地元ロサンゼルス・タイムズの記事リンクを貼っておく。
 http://latimesblogs.latimes.com/culturemonster/2009/04/krystian-zimermans-shocking-walt-disney-concert-hall-debut.html
 アメリカの軍事行動に抗議したほか、グアンタナモ基地のことにも言及したようだ。
 なお、ツィメルマンは、カーネギー・ホールでリサイタルをするためニューヨークに来ていた際、ちょうど同時多発テロに出くわしている。その際、彼はツアーの時はいつもそうなのだが、自分のグランド・ピアノ(スタインウェイ製であろう)を持ち込んできた。そのピアノを、アメリカの航空当局は異臭を理由に没収し破壊してしまった。つい数年前、これはアメリカではテロ対策として容認されたのである。

ベルリン・フィルの2009/2010シーズン

 5月になって、やっとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、次シーズンのプログラムを発表した。
 http://www.berliner-philharmoniker.de/de/konzerte/saison-20092010/
 (詳細:http://www.berliner-philharmoniker.de/konzerte/kalender
 毎年5月1日に、ドイツ以外のヨーロッパのどこかで行う「ヨーロッパコンサート」に、音楽監督のサー・サイモン・ラトルではなく、ダニエル・バレンボイムが登場するのが注目ではある。

マリインスキー管弦楽団の日本公演(2009)

 先日新国立劇場に行った際、東京ではコンサートホールなどの入口でよく行われているが、チラシの束を配っているのに出くわした。情報収集の一環として受け取って中を見ると、マリインスキー歌劇場管弦楽団の日本公演の案内があった。
 それによると、今回のツアー日程は以下のとおりとなっている。
・11/25(日):熊本県立劇場
・11/23(月・祝):ザ・シンフォニーホール(大阪)
・11/26(木):アクロス福岡九州交響楽団との合同演奏)
・11/27(金):愛知県芸術劇場
・11/28(土)、11/29(日)、12/1(月)、12/2(火):サントリーホール(東京)
・12/3(木)、12/4(金):札幌コンサートホールKitara
・12/6(日):所沢ミューズ